おいてかないで…

若手芸人 暫定アランのオフィシャル雑記ブログ(暫定)

【ネタバレ】『レディ・プレイヤー1』感想考察/「作品を愛する」ということを考えさせる映画

映画『レディ・プレイヤー1』ネタバレ感想考察

全力でネタバレを含むのでまだ映画を観ていない人は回れ右してください!

そしてその足で劇場に駆け込んでください!

 

結論から言うと日本人は全員観るべき映画です!

「作品を愛する」とは何か?を教えてくれる映画です!

 

日本に生まれたことを誇れ!!

PUBG?ゲーマーとは?黙ってろ!!!俺はガンダムで行く!!!

 

 

 

 

 「俺はガンダムで行く!!」

前情報:ガンダムメカゴジラ!キティちゃん!VRゲームの世界!

予告編はTVとyoutubeで観てから劇場に行ったんだけど、いまどき大体の映画が予告編が全力のハイライトであとは埋め合わせって感じじゃないですか。

さすがに24年間の人生で裏切られ続けて期待しすぎると痛い目みるのはわかってたのでこんな感じだったんですよ↓

 

スピルバーグ「ニッポンのために作りました!」

予告編初見わし「はーんどうせ他の国にも言ってるんやろ」ホジホジ

予告編「メカゴジラガンダム!!キティちゃん!!」ヴァンヘイレーン!!

わし「あぁ~~~絶対イク♡」ビクンビクン

わし(でもどうせVRとかソードアートオンライン的な展開になるんは目に見えてるし期待はせんとこ)

見事に予告の期待を超えてきた

 

 見つけきれないほどのゲストキャラの嵐!!!

大量展開で押し寄せる豪華共演は見せ場シーン以外でも随所にちりばめられて観客を飽きさせない…!

そして何と言ってもガンダムの見せ場は予告の期待を大きく上回っていた!

 

 

日本人ダイトウの最高にカッチョイイ見せ場

最終決戦、敵のメカゴジラ、味方のピンチ

VR世界に唯一つのユニークアイテムで2分間だけ巨大ロボになれる…

…何になる???思い描いたロボットならなんにでもなれる。

(版権?知るか!!)

 

 

憧れたロボット。最強のロボット。

 

メカゴジラに負けない、

メカゴジラを倒せる、

みんなを守って世界を救うための力。

 

そう…

 

俺はガンダムで行く!!!

 

 

最終決戦が激化してもダイトウはオアシスにログインせず、

ただただ座禅を組み集中している。

 この時のダイトウは精神統一しているだけじゃなく、たった一度の変身をどのロボットにするか考えて考えて考えていたはず。

 

 

いいですか?

 

日本男児たるもの!ここはガンダムで行きましょう!

 

マジンガーでもゲッターでもガオガイガーでもありません!

日本に生まれ、日本で育った男は皆ガンダムとともにあります。

 

ここぞという場面で選ぶのはRX78-2、心得ておくべし!

 

そりゃぶっちゃけね?思っちゃうよ?

実際アランも超銀河グレンラガンとかイデオンとかゼオライマーかネオグランゾンマクロスか(ry…とか駆け巡ったのをぐっと飲み込んだよ?

 

でも違うんだよなァ~!!!

やっぱガンダムなんだよなァ~~!!

結果メカゴジラ倒せないんだけどさ。

 

イデオン出してたらあの全プレイヤー死ぬ爆弾より先に全滅だったよなと思ってツイート検索したら案の定みんな「俺はイデオンで行く!」って呟いてたね。

考えることはみんな同じだね。

 

でも本当に好きな機体に乗れるってなったら最強かどうかよりもロマンある機体選びたいよね。ぼくはザンダクロスちゃん!

 

 余談だけどダイトウの役者さんは「ダイトウ、行きまぁーす!」をこらえてこのセリフにしたらしい。作中唯一日本語でのセリフ、素晴らしい判断で名言となった!

 

 

ほか良かった点・気になった点・考察

主人公が普通にオタク

にわか乙wwwを全面に出す主人公

 ソレントに買収の交渉をされるシーン、嘘知識でカマをかけて、イヤホンでオタクの助言もらってること看破したあとのウェイドの「あんたとは組まない」は完全に「○○知らないとかオタクじゃねーしwww」というにわか排斥オタの性格丸出しでしたね。

あの世界においてはゲームの腕前や課金量よりも過去作への愛(というか知識量)が重要だったんですわなー。

 

こういうところでウェイドめっちゃ童貞感でてていいよね。

童貞オタ、恋をする

「人は見た目じゃない。」

よく言われますが、非モテ童貞オタクを落とすのはめっちゃ簡単です。

あいさつしてあげて、会話が成立すれば大体オチます。

ぼ、僕はそんなことないやい!って言うタイプも趣味の知識が共通してたら惚れます。(ウェイドもこれ)

まじイチコロ。

そのへんのヒーロー映画の恋愛もステップ飛ばしがちで急に惚れてキスするけど、もう彼らに関してはイチコロ。これでもしアルテミスが知識不足だったら…そうとうディスってバイバイだったのかもと思うとやるせないですね。

 

オタクなのにネットリテラシー低い

なんで本名普通にオープンチャットで言っちゃうの!

ここは考察するに2045年は荒廃してて義務教育がないのかな。

いやそれにしてもあんだけバーチャルが浸透してたら常識だけど…

恋をしてしまった非モテは常識はずれな行動をしがちです。

大体イタい目にあいますが人生とはそういうものです。

下心全開の 「股間にマイクロファイバー」ニヤァはやばいって。

 

現実世界

現実の描写について 

ソードアートオンライン1期なんかは、VRから出れないので現実の描写が無かったわけですが、今作は自由にログアウトが出来るにも関わらず主人公の私生活ほとんど出てこないんだよね。

あまりにもVRにのめりこんでる。意図的に描かれないとかじゃなく、ほんとに主人公がそこでしか生活してないから。

あとはピンチの時に現実に戻されるくらいで、ずっとVR。

ネトゲ廃人てきな?

 

トイレ・食事について

廃人と言えばこの人たちトイレどうしてるんだ?

一回も出てきてないけど、オムツ装備なのかな?

食事と睡眠もログアウトしなきゃとれないだろうし、強制労働施設でも休憩の外出があったくらいだからトイレの時はログアウトしてトイレいくんだろな…。

ギア外すと強制ログアウトだし、それならヤバくなったらギア外せばよくない??

 

お金のこと

これがすげー変なんだよなぁ。

IOIとかいう大企業が強制徴収施設ってので労働させる場所がVRの肉体労働w

なんだこのバーチャル出社システム。

こんな作業こそ機械化しろよ。

おばさんのヒモ男も貯金スッたとか言うけど、何で得た貯金かわからんし

 

経済とかぶっ壊れて、現実の通貨の価値が薄まってるとすると、

ゲームの賞金の5000億ドルだかも価値ないよね。今の価値観のドルと絶対違う。

 

仮想通貨は今盛り上がってきていて、投資してない20代は焦った方がいい時期に差し掛かってるけど、ゲーム内クレジットもそんな感じなのかな。

実際スーツはゲーム内で決済して自宅に届けてたし。

 

ネットの美少女はだいたいオッサン

 これは常識ですよね。

毎朝学校に行くのに愚痴を言ってたり、部活の先生の文句、親の悪口をつぶやいて太ももの写真や鼻から下を隠した自撮りを上げてるあの子たちは実在しません。

みんな現実世界では太ってハゲてて脂汗のすごい酸っぱい匂いのオッサンです。

 

作中でも親友のエイチが言ってましたね。

アバターに惚れてもすぐリアルで会おうとするな、と。

出会い厨は晒されて終わりってネットに強い弁護士がいってた。

 

ネカマを疑わない主人公は結果的には救われたけど、

あれがネカマだったらどうなってたんだか…

 

色ボケする親友を見るエイチの心境たるや

これは恋心とかじゃないんだろうとは思うけど、

いきなり親友が女キャラに惚れるのを見たら女の子的に複雑でしょうね

 

自分がそうであるのを告げずに、リアルでは外見やばい系かも…と言ったりして引き止めてるし。でもそれで変わることなく中身で仲良くなれるぜって主人公が言ってなかったら、リアルでピンチの時に顔出して現れるのに躊躇してたかもしれないね。

この作品が本当に伝えたかったことは? 

まず、オアシスはあくまでゲーム作品

独りじゃなく、みんなと。 

これはよくあるメッセージですが、主人公は前半しつこく「俺は誰とも組まない」と発言してるし、周りからもソロプレイヤーとして認識されてた。

後半、仲間との絆を大切にし助け合ってゲームをクリアした後は、「みんなで運営するよ」発言。これは恋をして変わったんじゃなく、開発者の孤独を目にして、その後悔に触れて目覚めたように見える。

ゲームを通して学ぶことってたくさんあるけど、ストーリーのない自由な世界で開発者の人生や心に触れて学ぶことがあるってすごいことだよな~。

 

これはあくまでゲームです

莫大な資産がかかっているので多くの人間がプレイしていたものの、SAOと違って自由にログアウトできるゲームってところを一貫してたのは良かった。

IOIという巨大企業の強制徴収は闇を感じさせるものの、「手段は選ばない」とか言いつつチートとかなしで挑む姿勢も評価できる。金に物を言わせて装備揃えたり、専門家(オタクやん)集団雇って研究するのもあくまで「攻略」だった。

だから、ソレントはいわゆる「敵・悪役」じゃなくて同じゲームで競争してる「ライバル」なんだよね。アイロックもプレイヤーキラーとは言え、それも禁止事項じゃないからBANされないわけだし。

 

主人公が最後の試練をクリアするのを全世界が見守るのは、ぼくらのウォーゲームとかサマーウォーズのラストバトル感すごいけど、あれで世界が終わるとかじゃないんだよね。

まだ誰もクリアしてないゲームを世界で初めてクリアする瞬間が、ただ見たい

という気持ちでみんなが一つになってる。

 

そして極め付け、最後に開発者が満足気に去る時の言葉

「僕のゲームをプレイしてくれてありがとう」

なんだよね。

 

遺産がどうとか、権利がどうとかじゃなく、とにかくゲームとして作ったこの世界を楽しんでくれてありがとう。ゲームクリアおめでとう。って感じ。

 

ソレントの心境

ソレントが銃を下したとき、あれは空気読んだからじゃない。

気付いたんだ、自分もこのゲームをクリアしたかった一人だったと。

考えてみたら、ソレント自身がアバターであんなに働きまくる必要はなかった。

いつの間にか心の奥底に純粋にゲームクリアを目指してる自分がいた、的な。

 

ゲームクリアのその後

世界中の人間、あのソレントまでもが虜になったオアシス。

それは莫大な遺産の魅力だけではない。

遺産目当てでプレイしてた大多数のひとは、これからもプレイするのか? 

ヘビーユーザー、作品への愛が一定以上あった層は最終決戦に駆けつけて見事に核爆発に巻き込まれてキャラリセ食らってるけど、またやり直すモチベあるのか?

と見ながら思ってたけど、こんなに過去作品への愛が織り込まれて、生活に寄り添ってるVR空間、みんなにずっと愛されるでしょ。

 

主人公は「現実も大事だねっ!」とか言いながらヒロインとチュッチュしてたけど

 

 

この映画作品自体がイースターエッグ探し

イースター・エッグ=愛

レディプレイヤー1のストーリーの軸は、VR世界でのイースターエッグ(隠し要素)探しとその報酬である莫大な資産(&運営権)。

だがイースターエッグ探しとは本来何の意味もない隠し要素(ex.作中登場のアドベンチャーの作者名とか)が偶然発見されるもので、隅々まで作品を楽しんでくれたプレイヤーや利用者に向けた開発者側の感謝の気持ちのようなもの。

 

このイースターエッグに辿り着くほどやりこんでくれて(愛してくれて)ありがとう!

という気持ちの表れだ。

遺産目当てで探すものじゃない。

見つけたからと言って特に何もなくていい

 

見つけることに価値がある。

 

この映画もオアシスもイースターエッグ探しを楽しむもの

この作品に登場する数多くのゲストキャラクタたちを探していったり、細かい拝啓のオブジェクトとか見てたら「え?それ見つけてくれたの?君めっちゃ見てくれてるやん!」というイースターエッグがちりばめられてるはず!

そしてそれを見つける(=元ネタも知っていることが前提)というのは愛の証!

作り手の愛とユーモアを、その発見によって享受すると共に自らの愛の証明にもなるイースターエッグ探し。

 

これは違法ダウンロードや著作権侵害が蔓延る現代インターネット社会の闇、クリエイターへのリスペクト不足が問題視される日本人に取り戻してほしい感覚であります!

 

円盤買います、先生!!

てーきゅう!のBDみたいなイースターエッグ期待してますよ!!

(↑なんとアニメ『てーきゅう!』の2期ブルーレイでOPカット版ぶっつづけ映像を20周連続視聴するとイースターエッグの隠し映像が出るらしい。2分アニメ7時間耐久。狂ってる。見つけた人狂ってる。)

 

まとめ

作品を愛するということ

世の中に溢れる色々なジャンルの名作も、それ単体で成立したわけじゃなく、過去にあった名作から得た様々なヒントがあって、作者がそれらの作品から吸収したエキスが凝縮されてる。

ひとつの作品を愛することは、その作品に受け継がれてきたすべての作品を愛すること

 

 

 筆者(暫定アラン)も90年代生まれで、抑えるべきところは抑えているくらいのライト層くらいなので、元ネタを知らない作品もあって100%楽しめていない…日本人として恥ずかしい。

 

 もしこの作品をみて全然元ネタ分からなくて楽しめなかったらそれは自身が日本の誇るべきレジェンド作品を見てなかったせいなので反省しながら過去作を見て、世界に誇る日本のアニメを心に刻みましょう。

 

そして、アニメに限らず作品から得た知識、メッセージ、想いは次にバトンを渡さねばなりません。

自分なりの表現で、伝え、遺し、育てていきましょう。

 

次に伝えるまでが「愛」なのだと『レディ・プレイヤー1』を通してスピルバーグは教えてくれたのでした。